【海外通販事情】韓国TV通販業界におけるテレビ通販市場と第2チャンネル(Tコマース)

韓国のTV通販事業はライセンスビジネスとなっており、CJ O Shopping(以下CJ)、GS Home Shopping(以下GS)、Hyundai Home Shopping(以下Hyundai)、Lotte Home Shopping(以下Lotte)の主に財閥系がライセンスを付与され、TV通販事業を運営している。

 

TV通販市場規模は日本では1億2千万人口に対して6000憶円程度とされているが、韓国の人口は5千万人に対し2兆3000億円と言われており、韓国でのテレビショッピングの認知度よ利用頻度の高いことがわかる。

ただし韓国テレビ通販事業は、24時間Live放送を行うTV通販事業に加えて、楽天の様なショッピングモールを展開するネット事業及びカタログ事業を展開に加え、さらに海外でのテレビ通販事業も含まれている為、純粋なテレビ通販事業だけでの売り上げとは言えないことを頭にとどめて置きたい。

ここからはテレビショッピング大国と言われた韓国がテレビ通販に力をいれて伸ばしているのかを見ていきたいと思う。

テレビ視聴環境の違い「メディアパワーの違い」

ひとつめは、日韓のTV通販において顧客数に差が生じる理由として考えられるのが、日韓の「メディアパワー」の差と思われる。

具体的には、CATV普及率90%近い韓国では、民放chの間に各通販chが放送されており、強いメディアパワーを持つことが結果として、マスにアプローチ可能となっていることが大きな要因だ。

日本ではCATVの加⼊世帯数は、約3,022万世帯、世帯普及率は約52.6%(※1)と韓国と比較してまだ低いことものメディアパワーにおいて大きな差になっていることがわかる。

※1「ケーブルテレビの現状」2018/7/26総務省資料より

韓国テレビショッピングの海外展開

各社の海外展開は2000年の初めのほうから中国、インド、ベトナム等のアジア諸国への進出も着実に進めている。海外でのテレビショッピング事業は財閥系の会社による運営が主となっていることがおおい。

以下に調査した中で各財閥企業が進出している国を挙げている。

  • CJ…中国、インド、ベトナム
  • GS…インド、タイ
  • Hyundai…中国
  • Lotte…台湾、ロシア、インドネシア、ベトナム、中国

第2チャンネルについて(T-Commerce)

韓国テレビショッピング業界の第2チャンネルを知るためには、T Commerce(=データテレビショッピング)放送について知っておく必要がある。
※ T Commerceとは:テレビ(Television)と商取引(Commerce)を結合した専門用語で、リモコンを使用して商品情報を確認し、購入まで一度に済ませることができる双方向サービスのこと。

現在韓国には10個のT Commerce放送チャンネルが存在し、現在事業者は、GS、CJ・Hyundai・Lotte・NSなどホームショッピング業者とKTH・ブロード・SKブロードバンド・新世界・メディアウィルなど非ホームショッピング会社など計10事業者がサービス展開している。

TVショッピングの事業拡大により、移動通信業者間で行われていたT Commerce領域に流通大手にまで拡がりを見せた。韓国Tコマース協会は、韓国国内Tコマース市場が、今年7000億規模に成長すると予測している。

まだ日本ではなじみのないテレビデバイスをつかったT Commerceだが、別記事で深堀をしてみたいと思う。

韓国テレビショッピングのまとめ

  • CATVの普及率と地上波各局の間という強力なメディアパワー
  • 強力な財閥ブランドと資金力
  • 国内だけでなく海外展開に積極的
  • テレビデバイスを利用した第2CHという新事業

お隣ではあるがテレビショッピング大国の韓国と日本では大きく環境が違う事がわかった。文化の違いで移植は難しいかもしれないが、非常に興味深い内容だった。

 

 

第2チャンネル(Tコマース)

韓国テレビショッピング業界の第2チャンネルを知るためには、Tコマース(=データテレビショッピング)放送について知っておく必要がある。
※:Tコマースは、TVと商取引を意味するコマース(commerce)の合成語で、TVを見ながらリモコンで商品情報を検索して購入・決済までできるサービスを意味する。時間にしばられることなく、録画された商品をいつでも購入できるのが特徴。

スマートフォンとの連動したサービス拡大や、決済サービスも簡単になり。各社、顧客データの分析に基づくカスタム商品の開発に集中し、通信業者で初めていた市場だが、財閥系のテレビショッピング会社も参入しTコマース市場は熱を帯びている。

財閥系ではテレビショッピング会社5社はTコマースに参入し。ロッテホームショッピングの「ロッテOneTV」、現代ホームショッピングの「プラスショップ」、CJオーショッピングの「プラス」、GSホームショッピングの「GSマイショップ」、NSホームショッピング」NSショッププラス」という名称で展開をしている。

ここではTコマースについて以下の内容で調査を行っている

Tコマースの特徴は

  1. 第2チャンネルの場合は録画放送にて行われる。
  2. テレビショッピングでの番組放送時間が1時間に対し、第2チャンネルは15分~60分以内と短い
  3. テレビショッピングとTコマースでの重複した商品を販売してはいけない

韓国のテレビショッピング自体が承認制という点も特徴としてもあり、タイミングで再審査時期というものが設けられている。「再審査」とは要するに一度事業許可を得ていたとしても、再審査に落ちると事業を続けることができないという厳しい制度だ。これは加熱している韓国のテレビショッピング事業の制度改定や品質を上げるために定期的に実施しているようだ。

特に③の「取り扱い商品がテレビショッピングと重複してはいけない」といった点がTコマースが大きく成長し始めている要因ともいわれている。このテレビショッピングとは差別化された商品を生み出すような仕組みが高い評価につながっている。

売上規模

Tコマース市場規模は、2013年には300憶ウォン(30憶円)程度の規模のTコマース市場規模は2018年には3兆ウォン(3000憶円)に伸びているといわれている。

チャンネルは5つのTコマース専用チャンネルに加えて、既存の財閥系のホームショッピング社のチャンネル5つが加わって10チャンネルと多く、市場の過熱具合を物語っている。
許認可制の事業ではあるが、10社での競争は過熱しており、今までケーブルテレビ視聴可能世帯のみの第2チャンネルだったが、地上波チャンネルにも進出し各社で覇権争いを繰り広げている。

売り上げ以外に期待する効果

基本的にテレビショッピングはテレビをみてインターネットや電話で注文する一方通行のモデルで、消費者側の行動履歴を追う事ができない。テレビショッピングはデータベースマーケティング苦手な事業だといえる。そのデータを補完することができるのが第2チャンネルのTコマースだ。

Tコマースであれば、消費者がテレビデバイスの中で、どんな商品を検索し閲覧しているのか、番組の視聴時間や視聴ポイントや注文ポイントなどが把握することが可能だからだ。

このような購買履歴だけでない、行動履歴から顧客に向けた最適なマーケティングが活動が可能な事から、各通販事業者は第2チャンネルへの事業に熱をあげている。

第2チャンネルの画面イメージ

画面はCJ O! Shopping plusのTコマース画面とその内容を示したものだ。
放送画面をメインにしつつ、広告や特集企画への導線など買い回りを意識したつくりとなっている。

韓国のテレビショッピングとTコマース比較

通常のテレビショッピングとTコマースの比較を表にした。テレビショッピングはザッピングを中心に偶発的に接触したお客様へテレビという強力なメディアパワーを使い商品セールスが可能だが、Tコマースはデジタル受信機を搭載した一部有料放送加入者に対しての放送になる。一部積極的に商品情報を取得しに行こうとする利用者がターゲットになるという点がテレビショッピングとは大きな違いなのかもしれない。

 

いかがでしたでしょうか?

テレビショッピング大国の韓国ならでのは事業であるTコマース。日本ではデータ放送によるテレビと連動した取り組みはあるものの、アンケートや投票など地上波の番組をコンテンツの一部として使われている程度です。Eコマース市場の伸長はこの先もされるといわれていますが、テレビショッピングの次なる一手はTコマースがカギを握っているのかもしれません。